よく分かる屋根(カラーベストコロニアル編)塗装の手順

営業日記塗装あれこれ

屋根塗装の概念

一般的に外壁程痛み具合が分からないところでありますが、外壁より条件の厳しいところに設置されている屋根は、外壁より痛み具合が進行する箇所であります。

塗装のお見積りに出かけた際に、よく聞かれる言葉として「今回は屋根の塗装は結構です」ということを耳にしますが、お施主様からすれば「見えない部分だ し」「建てた時にフリーメンテナンスと聞いてるし」「カラーベストは塗装しなくて良いと聞いたし」という理由で拒むのでありますが、私共が今まで行ってき たお仕事の中で、新築してから5年目の状態、10年目の状態、20年目の状態はそれぞれ劣化具合も異なりますし、気づいた時には遅く、塗装ではすまない屋 根も見てまいりました。

外壁より条件が厳しいとは、紫外線・酸性雨をもろにあたってしまうということであります。昨今の酸性雨は環境破壊問題にも発展し、石や鉄をおかしてしまう ほど強烈なものであります。こういった諸問題を含めて、結論から申し上げますと屋根の塗装は、出来るだけ早く行い、そして大変重要な部分であります。

屋根の施工方法

日本瓦や洋瓦とタイプが違うカラーベストですが、元々の施工方法に違いがありますので、その部分を簡単にお話したいと思います。

まずカラーベストの設置の仕方ですが、木造の骨組みの上に、コンパネ板をはりめぐらします。当然ですがここでは釘を打ちつけます。その後はルーフィングと いう防水シートを、更に釘やホチキスの太いもので打ち付けます。最後にカラーベストを段々に敷いていくことを行い完成となります。
説明の通り、瓦をのせるよりは作業の手間が少ないかと思います。
(ですが屋根工事作業事体はとても大変なことであります^^;)

屋根塗装を怠っての弊害

上記でお話しました施工方法の中にも関連しますが、時間が経つにつれカラーベストの表面の塗膜は徐々に劣化します。塗膜自体の劣化は直接耐久には関連しな いように思えますが、8年目頃を目処にカビや藻が発生します。その結果防水性が弱くなり、またカラーベストのつなぎ目にもカビや藻などが目詰まりし、今ま では水が浸透してもつなぎ目から抜けるようになっていますが、抜けないのが原因でカラーベストと防水シートの間に水がたまるようになります。長い間時間を かけますと、防水シートに打ちこんだ釘の隙間より、コンパネに水が浸入するようになります。更にはコンパネに打ち込んだ釘穴からも雨水が浸透するようにな り、コンパネ自体を腐らせる心配や屋根裏を伝って雨水が部屋に侵入という結果を招きます。こうした流れが雨漏りのはじまりになる原因にもなるかと思いま す。

屋根塗装の手順(築10年程度)

屋根塗装の手順(築20年程度)

終わりに

今回は、築10年程度の現場と築20年程度の2現場を紹介いたしましたが、水洗い高圧洗浄をした段階で大きな違いが分かるかと思います。

築10年程度の屋根では洗浄しても、表面のコケやカビの洗浄で済みますが、築20年程度になりますと、コケやカビだけではなく表面の塗膜まで高圧洗浄で剥がれてしまいます。
本来は屋根・板金業者さんになりますと、葺き替えた方が良いという判断になるぐらいでありますが、カラーベスト自体の痛みは見られませんでしたので、塗装工事によって更に良い状態が保てることと思います。

また下記の写真にもありますが、上塗り終了後に「縁切り」と言って、カラーベストのつなぎ目をカッターやかわしきによる工具を用いて、目に詰まった塗料を 取る作業を致します。これらの意味は詰まった塗料だけではなく、ごみ等も一緒にとることになりますので、大変重要な部分であります。屋根塗装を怠っての弊 害でも記した通りに本作業を怠ると、目詰まりし雨漏りの原因を引き起こす可能性があるのです。

業者さんによっては、この作業を行わないために、吹き付け塗装をする方もおりますが、当店の営業するエリアにおいては、近隣との間隔が近い為に塗料 の飛散の心配があります。その理由もありますが、ローラーによる施工の方が、樹脂分が多い塗料のスペックを発揮できるかと思いますので、現在吹き付けは行いません。

当店では、外壁塗装もとても大切でありますが、もしどちらを先にということでありましたら、間違いなく屋根の塗装を先にと考えている次第であります。

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